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本当に助けてほしい人は…… PAGE9

ผู้เขียน: 日暮ミミ♪
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-07-05 09:33:46

「差し当たり、出勤時と退勤後に彼女を貴方のクルマで送迎してあげてくれない?」

「僕は別に構わないんですが……。会長の送迎はどうするんです?」

「それなら、帰りも寺(てら)田(だ)さんに頼むから問題ないよ。貴方は何も心配しないで」

 寺田さんというのが、篠沢家の専属ドライバーさんのお名前らしい。それはともかく、帰りの送迎の時間はお二人にとってお仕事を終えた後のプライベートに切り替わる貴重な時間のはず。そんな大事な時間まで、わたしのせいで奪ってしまうのは何だか申し訳なく感じた。

「……あっ、あの。わたし、ボディーガードの必要はありません。大丈夫ですから」

「「えっ?」」

「これはわたしの問題で、わたしが自分で解決しないと。会長や主任にご迷惑はかけられません。大丈夫です、自分の身は自分で守りますから。相談に乗って頂けただけで十分助かりました。ありがとうございました」

 わたしは驚かれているお二人にそれだけ一気に伝え、相談に乗って頂いたお礼を述べた。

「えっ? ……ええ、分かった。まあ、貴女がそれでいいなら……。ねえ、桐島さん?」

「……はい」

 お二人は納得がいかないご様子だったけれど、わたしはこれでいいと思った。

 それに、わたしが本当に助けてほしい相手はやっぱり桐島主任ではなく入江くんなのだ。

「――それじゃわたし、そろそろ仕事に戻らせて頂きますので、これで失礼致します」

「……はい。お仕事頑張ってね」

「ありがとうございます」

 わたしはもう一度会長に頭を下げ、会長室を退出した。

   * * * *

 ――午前の業務が終わると、わたしは給湯室の冷蔵庫に保管していたお弁当を持って社員食堂へと下りていった。お茶だけは食堂でもらおうと思ったのと、入社式の日からずっと入江くん、佳菜ちゃんと三人で昼食を摂ることが習慣になっているからだ。

「――あれ? 麻衣、今日はお弁当持参? 美味しそうだね」

 いただきます、と手を合わせて食べ始めると、オムライスを食べていた佳菜ちゃんが隣からわたしのお弁当箱の中を覗き込んできた。

 入江くんからは「仕事がちょっと長引いてるから、社食に行くのが遅くなりそうだ」とメッセージが来ていた。食べている間に来るだろう。

「うん、ありがと。昨夜はあんまり眠れなくて、朝早く目が覚めたからね」

「えっ? 何か心配ごとでもあるの? っていうか、昨日あたし
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    「――でね、朝出勤してきてすぐに会長室に呼ばれて、会長と桐島主任に改めてストーカー被害のことで相談に乗ってもらったの。そしたら、主任がわたしのボディガードをしてくれるっていう話が出たんだけど、断った」「えっ、なんで? ……やっぱ入江くんじゃないとダメなわけ?」「…………そういうわけじゃ、ないけど。わたしの個人的な問題で上司に迷惑かけたくないから」 わたしは佳菜ちゃんの疑問を否定したけれど、「迷惑をかけたくない」というのはただの建前だと自分でも分かっている。 ――と。「――悪い悪い! 仕事が長引いて、来んの遅くなっちまった!」 ホカホカ湯気を立てたラーメンのどんぶりが載ったトレーを手に、やっと入江くんがわたしたちのテーブルへやって来て、向かいの席にドスンと腰を下ろした。彼はいただきます、と手を合わせてから熱々の麺をフーフーしながらすすり始めた、けれど。「そういやさっきの話、聞こえちまったんだけど。お前、桐島さんがガードしてくれるっつったの断ったって? なんで断ったんだよ」 入江くん、さっきの佳菜ちゃんとの会話、聞いてたんだ……。でも、「やっぱ入江くんじゃないと……」の部分は佳菜ちゃんが声をひそめていたから聞こえていなかったらしい。「入江くんも聞いてたんでしょ? これはわたしの個人的な事情だから――」「そんなの、お前の本心じゃねえだろ。付き合い長いんだから、お前の性格はオレがよぉーーく分かってるつもりだけどな」「…………えっ?」 彼は向かい側から手を伸ばしてきて、わたしの頭をポンポンと優しく叩く。「お前さあ、またひとりで何とかしようと思ってるだろ? お前のことだから、まぁた『大丈夫です』とか言ったんじゃねえの? それがお前の強がりだってオレが分かんねえとでも思ってた?」「うぅ…………」「矢神、お前はいい加減、困ったときは周りに助けを求めるってことを覚えなさい。何でもかんでも自分ひとりで抱え込まないこと、いいな?」「…………はい」 わたしたちのやり取りを横で聞いていた佳菜ちゃんが、ククッと笑い出した。「……どうしたの、佳菜ちゃん?」「んー、いや別に。あ~もう、じれったい! さっさとくっついておしまい、お子ちゃまカップル」「「カ……っ!?」」 佳菜ちゃんのトンデモ爆弾発言に、わたしと入江くんは二人同時にフリーズしてしまった。 そ

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